がらくた
がらくた/江國香織
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オススメ度:★★★★★
よ、よかったぁ…
ちょっと泣きたくなったよ。
でも、やっぱ、江國さんの恋愛ものは信用して良かったと、改めて思いました。
物語の内容として言えば、歪んでいるのだろう、と思う。
いや、真っ直ぐなのだ。
真っ直ぐな愛情を、それぞれ自由に、結構自分勝手に表現しているのだけど、それぞれが歪んでいることに納得しながら、各々がそれを受け入れる。
あるよね、こういう愛情。
あるのよ。
※引用するので、畳みます。
ネタバレ注意!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーーーーーーーーー
生きている相手に対して、感情を不変のまま保存することはできないのよ。
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もうね、この言葉には目からウロコ。
本当だよ。死んだ人には一番大好きだったときの愛情をわざわざ思い出して、そこで止まったままの愛情を抱いていけるのに。
あわよくば、美化までする。
生きている人は歳も取るし、相手も変わって行くからね…
当たり前のことだけれど、ここまで理解するには、まだ早いような、少し覚めて(冷めて)いるような気もして、考えたくなかった、気付きたくなかった。
他人に言われることで、自分の持っている感情に変化を感じたことを認めて良いのだ、と思えることもある。
さすがの江國さん、読みやすく、本が好きで良かったと思えた本でした。